立ち退き・明け渡し交渉
不動産オーナーの方などは、現在賃貸中の物件を様々な理由で貸せなくなることがあると思います。また、賃料の滞納や契約違反がある賃借人に対しては、物件の明け渡し請求をするべきです。
こうした場合に立ち退き交渉や明け渡し交渉をするときは、場合にもよりますが、いきなり裁判や強制執行など法的措置を進めることは通常なく、まずは任意の交渉から進めていくことになります。もっとも、時間をかけ過ぎてしまうと、毎月の収益が失われることになりますから、迅速に手続きを進めることがポイントです。
交渉の通りやすさとしては、法的には立ち退きや明け渡しがどちらの都合なのかで変わります。
賃借人が契約に違反しているなどが原因で契約解除を申し入れる場合は、法的には当然認められやすいことになります。例えば、ペット禁止の物件でペットを飼っている、契約で予定しない人物が出入りしている、居住用の物件を民泊や事業用に使っているなどの契約違反があります。また、賃料を滞納しているといったことも法的に解除が認められる事情になります。
一方で、こうした場合は、法的には問題がなくても、悪質な賃借人であるケースも多く、連絡が取れない、交渉に応じないなど手続きが難航することも少なくありません。こうした場合には、弁護士が入って法的拘束力のある手続きに移行するべきであるといえます。
逆に、建物の老朽化や取り壊しなど、賃貸人の理由で明け渡しを求めることは、法的には厳しい要件が課されています。これは、借地借家法という法律により、たとえ契約期間が満了したとしても、立ち退きを求めるためには「正当な事由」(借地借家法28条)が必要とされているからです。
この「正当な事由」の基準はなかなか厳しいものであり、正当な事由が見当たらない場合は、交渉により任意で立ち退いてもらうことになります。この交渉には、例えば立退料などを多く支払うなどが考えられます。相手に納得させることが大切なので、強気な態度に出るよりも、丁寧な交渉が求められます。
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