離婚調停が不成立となる割合やその後の流れを解説
離婚の方法には、⑴協議離婚、⑵調停離婚、⑶裁判離婚の3種類があります。
離婚協議で話がまとまらない場合には、離婚裁判を提起する前に離婚調停の申立てを行うこととなりますが、離婚調停が不成立となってしまう割合やその後の流れはどのようなものなのでしょうか。
今回は、調停離婚の定義や不成立となる原因などとともに、これらの点について解説してきます。
調停離婚とは
冒頭でご紹介したとおり、離婚には、⑴協議離婚、⑵調停離婚、⑶裁判離婚の3種類がありますが、通常、夫婦間の話し合いによって離婚を行う協議離婚によるものがほとんどです。
しかし、夫婦の一方が話し合いに応じない場合や、夫婦間で話し合いを行ったものの合意が形成されないといった場合には、当事者からの申立てにより離婚調停に移行します。
離婚調停では、離婚をするかどうかという点はもちろんのこと、親権者をどちらにするかという点や面会交流、養育費、財産分与、慰謝料などの点についても、裁判所の調停委員を介して話し合いを行うことができます。
調停は、調停委員に対して一方当事者が自身の意見を伝え、それを調停委員がもう一方の当事者に伝える形で行われるため、当事者同士が顔を合わせることはありません。
この離婚調停によっても夫婦間の合意が形成されず、当事者が希望する場合には離婚裁判による手続きに移行します。
離婚調停が不成立になる割合
離婚調停に関する数的データに関しては、家庭裁判所が毎年詳細に公開しています。
家庭裁判所の婚姻関係事件数の表によると、令和3年度は全国の調停離婚数が64885件に対して、調停不成立件数が11739件と約18.1パーセントでした。
令和2年度の全国の調停離婚数は58969件であり、そのうち調停不成立となった数は9998件と約17パーセントとなっています。
これらのことからすると、調停不成立となるのは、全体の離婚調停のうち、約6分の1程度であるといえるでしょう。
離婚調停が不成立となる原因
離婚調停が不成立になる原因は以下の4種類です。
⑴裁判官が調停不成立の結論を下す場合
離婚調停は当事者間での合意形成を最終目標とするものであり、当事者間での合意が形成される見込みがない場合には不成立となります。
具体的には、調停委員が調停不成立の旨の結論を下し、調停を終了させます。
⑵申立人が調停を取り下げた場合
申立人は、離婚の意思が変わった場合や合意の見込みがない場合等に調停を自由に取り下げることができます。取り下げの際に相手の同意を得ることも不要です。
⑶調停が行われないことによる終了
調停期日に当事者が出席しない場合や、調停不成立となった直後に再度の調停の申立てが行われた場合など、調停委員が調停を開催しても意味をなさないと判断した場合には、調停を終了することができます。
⑷当事者死亡による終了
当事者の一方が死亡した場合には調停は自動的に終了します。
離婚調停が不成立になった場合のその後の対応
調停が不成立となった場合のその後の対応としては、⑴再度の協議離婚、⑵審判離婚、⑶離婚裁判があります。
審判離婚は、例外的な手続きであり、当事者の意見が大方まとまっているが、まだ合意形成までは至っていないという場合に、調停委員の判断によって開始される手続きです。
この手続きは当事者の合意がなくとも調停委員の職権によって結論を下すことができる手続きであり、この点が調停と異なります。
当事者が訴訟の申立てを行った場合には離婚裁判に移行します。
離婚裁判の申立てを行う際には、約1万3000円~1万6000円の費用が必要です。
離婚裁判においては、自身の主張をしっかりと立証することが求められるため、自己に不利益な主張や立証活動を行ってしまわないよう、専門家である弁護士に相談することをおすすめします。
離婚に関する問題は神戸ポート法律事務所におまかせください
今回は、離婚調停が不成立になるケースとその後の対応について解説していきました。
神戸ポート法律事務所には、離婚問題に詳しい弁護士が在籍しています。
お困りの方はお気軽に一度ご相談ください。